マーケティング手法は時代の進化とともに常に変化しています。特にインターネットの登場以降、企業は顧客の行動や好み・ニーズが把握しやすくなり、マーケティング手法は大勢に対して行うマスマーケティングから、近年広く知られるOne to One マーケティングへと移行していきました。今回は近年注目されているマーケティング『One to One マーケティング』とはどのようなものか、導入事例を交えてメリットや手法をご紹介します。

One to One マーケティングとは

One to One マーケティングとは「顧客一人ひとりに合わせて行う」マーケティングの手法です。具体的には、消費者の購買傾向のデータからニーズを読み取り、一人ひとりに対して最適なコミュニケーション方法を使い分けるマーケティングです。

これまではテレビや雑誌、新聞といったマスメディアが情報伝達において主要な媒体でしたが、企業と消費者間での情報の量と質にギャップがある状態のコミュニケーションとなっていました。しかしインターネットやPC、スマホが普及した近年、SNSの発達もあり、企業と消費者のマーケティングはマスマーケティングが主流の時代と比べて多様となりました。これからはコミュニケーション方法を使い分けて、顧客それぞれに合ったマーケティングを行うことが重要です。

マスマーケティングとの違い

ここでマスマーケティングとの違いを改めて確認しておきます。マスマーケティングとは顧客を一つの大きな塊と捉え、全員に対して主にマスコミ4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を通して同じマーケティング施策を打ちます。一方、One to One マーケティングでは顧客に対して媒体も使い分けてマーケティング施策を打つのが特徴です。

One to One マーケティングの具体的な手法

One to One マーケティングでは、主に以下の4つの手法が取られます。

1.リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度自社Webサイトに訪問した閲覧者を追跡して、他のWebサイト上の広告枠にで自社の広告を表示させる手法です。例えば、自分が以前調べた製品の広告が別のサイトで表示されることがあります。これがリターゲティング広告で、これはCookieの情報をもとに表示されています。リターゲティング広告を使うことで、興味の対象が明らかな層にWebサイトへの最訪問や製品の再購入を促すことができ、消費者の嗜好に合わせた効果的なマーケティングが可能になります。

2.レコメンデーション
レコメンデーションとは「あなたへのおすすめの情報」や「この商品を買った方は、こちらもよく購入されています」と表示してコミュニケーションをとる手法です。例えば顧客が閲覧した商品や購入商品を記録しておき、それに類似した商品や関連商品をおすすめとして提示します。また、顧客自身と似ている属性を持つ他のユーザーが購入した商品を表示することで、顧客の関心が高い商品が表示されることになるので、購買の可能性も高く、合理的かつ効率的な手法と言えます。
レコメンデーションの際には、主に以下の4つのアプローチでおすすめします。

<a.ルールベース>
予め決められたルールに従って製品をおすすめする。
(例)製品Aを買った人には製品Bを推奨すると予め決めておく

<b.コンテンツベース>
顧客の特性をもとに関連性の高いコンテンツを含む製品をおすすめする。
(例)健康食品Aの購入者に対して類似の効用を謳うサプリメントBを推奨する

<c.ベイジアンネットワーク>
顧客の属性や購入商品の属性、購買履歴等の情報をもとに、因果関係の確率を計算し、対象者の購買確率の高い製品をおすすめする。
(例)商品への興味の強さと顧客のライフスタイル、属性情報などの因果関係をモデル化し、その商品の購買に効果的な因果関係を把握した上で、それに沿ったレコメンデーションをする

<d.協調フィルタリング>
行動・購買履歴・顧客・製品間の特徴を使用して、対象者と類似した顧客が購入した製品をおすすめする。
(例)サイトなどで「この商品を買った人はこの商品も買っています」と表示

3.メール配信・DM送付
メール配信・DM送付は、顧客情報が収集できている層に対して、興味関心のありそうな情報やキャンペーン情報を直接届ける方法です。メールやDM内で過去の成功事例を紹介するのも、購買意欲を高めることにつながるので有効と言えます。

4.LPO(Landing Page Optimization)
サイト訪問者が最初に訪れるwebページを工夫し、訪問者の会員登録や購買率を高める方法です。サイトは、訪問する個々に合わせたページの設定も可能になっています。例えば顧客がサイトに訪れる時期や時間ごとに表示するメッセージを変更したり、顧客プロフィールに合わせた個別のランディングページを設定するツールがあります。また、サイトが検索されている地域に合わせたページの設定もできます。多数の地域に店舗などがある場合は、顧客がいる場所に合わせて表示されるので来店率向上にも繋げられます。

One to One マーケティングのメリット

One to One マーケティングはコストをかけずに効果的なアプローチが可能です。具体的には以下の2つのメリットがあります。

1.顧客との信頼関係を築くことができる
One to Oneマーケティングは顧客との信頼関係を築くことができます。One to One マーケティングでは顧客のCookie情報(顧客の行動履歴)を元に情報を提供するため、顧客にとって以下のメリットが生まれます。

・自分が欲しい情報だけが企業から送られてくる
・不要な広告や情報が送られてこなくなる

「DMがたくさん送られてきてしつこさを感じる」「興味がない広告ばかりで鬱陶しい」といった不快感や不要感を低減し、顧客にとって必要な情報だけを送ることができます。特徴として、マスコミュニケーションに比べて顧客との信頼関係を築きやすいことが挙げられます。

2.費用対効果が高い
One to Oneマーケティングは顧客の行動履歴を分析し、そのデータをもとに購買意欲や確度が高い顧客に対して適切な情報を表示させることができるので、購買へと繋がりやすいです。また、One to One マーケティングとして、顧客の行動履歴を分析して最適なメール配信や広告・サイト表示などを自動で行うツールを導入することは、マスメディアに多額の広告費を割り当ててアプローチするよりも費用対効果が高いといえます。

One to One マーケティングのデメリット

Cookieの情報を使うことによるデメリットもあります。そもそもCookieには、ブラウザ側で保存したCookie情報をどの範囲で使うのかを意味する「ファーストパーティ」「サードパーティ」という区分があります。ファーストパーティはCookieが発行されたそのドメインでしかCookie情報を使わないのに対し、サードパーティはドメインを跨いでブラウザ側に保存された情報を活用します。

以上よりOne to One マーケティングにおいて使用する情報はサードパーティに当たるため、プライバシー保護の観点から、AppleのSafariではサードパーティCookieを2020年3月にデフォルトで完全にブロックしています。また、Google Chromeでも2023年後半を目処に、サードパーティCookieに頼らないWeb上のエコシステムを構築することを宣言しています。つまり、今後リターゲティング広告は使えなくなっていくということです。

レシート買取アプリ「ONE」を活用した手法・事例とは

前述したOne to One マーケティングのサードパーティの問題に阻まれずにターゲティングできるのが、最新のOne to One マーケティング手法「ONE PROMOTION」です。

累計インストール数199万人以上を誇るレシート買取アプリ『ONE』が取得した消費者データを活用し、厳選したターゲットに対して適切なタイミングでOne to One マーケティングの施策を行うことが可能です。他のOne to One マーケティングの手法に比べ、顧客情報をCookieからではなくアプリから取得してターゲティングできることが大きな特徴です。また、ターゲティングしてそれぞれにあったプロモーションを展開して、決まった流通量を確実に確保できることから、効果的なプロモーションとして導入されています。そこで、「ONE PROMOTION」を活用して実際に成功したOne to One マーケティングの導入事例をご紹介します。

導入事例1:ターゲット群に対して狙った流通量を担保できる「ONE MUSTBUY」

「ONE MUSTBUY」は、施策を行いたい商品をアプリ内に掲載し、該当商品を購入したレシートをアップロードした対象者に対して、高金額でキャッシュバックするOne to One マーケティングのコミュニケーション方法です。

「ONE」のデータベース上にあるユーザー情報とレシート記載情報から、アプローチしたいターゲットを絞り、対象者に対してアプリからの通知やアプリ内広告などの手段を用いて、デジタルでも確実にリーチさせて購入を促すことが可能です。「ONE MUSTBUY」は、缶チューハイの新フレーバー発売後の流通量アップを狙った酒類メーカーのOne to One マーケティングに多く活用されています。

導入事例2:特定のターゲットに対して指定のタイミングでメッセージを送れる「ONE FUTO」

「ONE FUTO」は、特定ユーザーに最適なタイミングでアプリ内ダイレクトメッセージを送付するOne to One マーケティング方法です。

『ONE』のデータベース上にあるユーザー情報とレシート記載情報から、アプローチしたいターゲットを絞り、ターゲットの特徴に合わせたメッセージを送付することができます。更に対象者の購入商品に合わせて即時にメッセージを送付することが可能です。対象ユーザーはアプリ内で届いた封筒を開くだけでキャッシュバックされる仕組みなので、平均85%という高い開封率を狙えます。また、封筒のメッセージから外部サイトへ誘導できるため、自社のサイトや商品ページなどに遷移させることもできます。「ONE FUTO」は、リアルタイムのキャンペーン通知などで自店での売上アップを狙った、大手スーパーマケットや小売店などにも活用されています。

おわりに

One to One マーケティングは、高い費用対効果と顧客からの信頼を得ることができる、注目のマーケティング手法です。『ONE』ではユーザーデータの収集からマーケティング施策の提案、ユーザーが商品を手に取るまでの行動変容のプロセス観測や効果測定まで、企業様のマーケティングをお手伝いさせていただきます。「導入事例のように自社でもマーケティングを行えるか相談がしたい」「どのようなデータでOne to One マーケティングができるか聞きたい」など、『ONE』を活用したマーケティングについて話を聞いてみたいご担当者様は、以下よりお気軽にお問い合わせください!

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【おまけ】

『ONE』のOne to One マーケティングで活用する消費者データの特徴
『ONE』では、レシート・アンケート・保険証券・動物病院や電気料金の明細書等、幅広いジャンルのデータを収集することができます。また、「特定チェーン店などのレシートを毎週アップロードしている人=ロイヤリティが高い」というように、顧客のロイヤリティを測ることも可能です。更に、ロイヤル・カスタマーの年齢/性別/地域といった属性データのみならず、自社・競合製品の購入履歴/利用した店舗/公共料金の金額などの購買行動データを収集できます。レシート買取枚数累計7,000万枚以上を誇る『ONE』で取得できる消費者データには以下の3つの特徴があります。

①アクティブなユーザーが多く、十分なサンプル数が担保できる。
アクティブユーザーの6割以上が1日1枚以上データをアップロードしており、アクティブ率が非常に高いサービスです。そのため、ONEのアプリ内でキャンペーンを実施していただいた際にも高い参加率が見込めます。

②偏りのないユーザー層で、正確なデータが取得できる。
幅広い属性のユーザーに利用いただいているため、偏りがない消費者データとして多くのクライアント様のマーケティングデータに活用いただいています。

③複数チャネルを横断して消費者の購買行動が追跡・分析できる。
ユーザーの買取レシートにおいて、JANコードの紐付けや加盟店規則などを設けておらず、販売チャネル・店舗を跨いでデータを収集しています。これにより、施策後の消費者購買行動を明らかにでき、購買における意思決定の変遷を分析することも可能です。

④日々のレシートからキャンペーン参加者のその後の購買行動が追跡・分析できる。
ONEでは、月間約1000万枚のレシートを収集しており、消費者の日常的な購買行動を追うことができます。そのため、「ONE MUSTBUY」の一時的な効果だけでなく、キャンペーン参加者のその後の購入について、トラッキングも可能です。