10都道府県に出されている緊急事態宣言について、政府は沖縄を除く9都道府県は、期限となる20日解除し、このうち東京や大阪など7都道府県は、来月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行することなどを決定しました。(2021年6月20日現在)

そこで今回、緊急事態宣言発令における小売業、飲食業が受けた影響から、消費者の「飲酒」に関する行動変化を分析しました。

新型コロナウイルスに関わる国の動き

2020年3月に初めて緊急事態宣言が発令されて以降、これまで3度の緊急事態宣言により、リモートワークの推奨や飲食店、商業施設の営業自粛要請などにより人流が抑制されました。下記は過去3回の緊急事態宣言とその影響をまとめたものです。

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新型コロナウイルスは、飲食店や商業施設を中心に大きな影響を及ぼしました。生活が変化してから約1年、主に飲食店を中心にした自粛・抑制要請は、消費者にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

2・3回目の緊急事態宣言では、消費者行動に大きな変化は見られず

下記グラフは2020年1月1日以降の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の特定業態ごとのレシート割合の推移です。(対数目盛表示)

分子:特定業態(コンビニ、スーパー、飲食店)ごとのレシート枚数
分母:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で発行されたレシート総数

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2020年4月に発令された1回目の緊急事態宣言直後、スーパー利用の割合が大きく上昇するも、すぐに減少しています。スーパーでの極端な購買はすぐに収束し、以後2、3回目の緊急事態宣言においても通常通りで、大きな変化は見られませんでした。

また、飲食店に関しては1回目の緊急事態宣言で大幅に利用が減少するも、解除後すぐに回復していく様子が伺えます。しかし2回目、3回目の緊急事態宣言下において、スーパーやコンビニはほぼ変わらないところ、飲食店だけは一定下降しています。

都心部の飲食店の利用は長期にわたり大幅減。未だ回復見込めず

下記グラフは、東京都を都心部(千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区、文京区、豊島区)と郊外(上記区以外)におけるコンビニ、スーパー、飲食店の売り上げ推移を比較したものです。(対数目盛表示)

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上記グラフから分かる、各回ごとの緊急事態宣言による影響をまとめました。

・1回目の緊急事態宣言(2020年4月)
都心部のコンビニ、飲食店は大きな影響を受けていることがわかります。外出禁止により、特に都心部に通勤通学する人が減少したことによる影響が顕著に出ています。

・2回目の緊急事態宣言以降(2021年1月)
1回目の緊急事態宣言が明けて以降、都心部のコンビニ、飲食店は2020年末にかけて回復してきましたが、2021年1月の2回目の緊急事態宣言で再度影響を受けていることがわかります。その後、コンビニは持ち直していますが、営業自粛や抑制が続く飲食店は、落ち込んだ状態が4月まで継続しています。

・3回目の緊急事態宣言以降(2021年4月)
3回目の緊急事態宣言でも都心部のコンビニ、飲食店は影響を受けていますが、コンビニはすぐに回復しています。飲食店は2回目の緊急事態宣言で利用が減ってからさらに減少しています。1回目の緊急事態宣言下の最低値からは回復していますが、それでも緊急事態宣言前の数値に戻っていません。

新型コロナウイルスの影響により一時的な打撃はあったものの回復に向かっている業態も満たれます。しかし、外食産業は一気に凹んでから、未だその回復は見られていません。

消費者のアルコールニーズは減らず。飲酒シーンが外食から内食へ

3回目の緊急事態宣言では、営業時間の抑制だけでなく酒類の提供禁止が発令されました。未だ回復が見られない飲食店ですが、約一年にもわたる自粛生活において、消費者の飲酒の需要も減少しているのでしょうか。

下記は、東京都の都心部と郊外それぞれにおけるコンビニ、スーパーで酒類を含んだレシートを購入した人の推移です。

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緊急事態宣言下では都心部、郊外ともに、酒類の購入者数が上昇していることがわかります。飲食店の時短営業、酒類無提供により、酒類の消費はコンビニやスーパーに移っていることが見受けられます。ONEで収集したレシートを見ても、全体的なアルコールニーズに変化はなく、アルコールを飲むシーンが外から家に変化した様子が伺えました。

結論

  • 緊急事態宣言を受け、東京都心部の店舗は影響を受ける
  • 都心部でもコンビニ、スーパーは影響を受けるが、一定期間を経ると緊急事態宣言前までの水準に戻る
  • 都心部の飲食店の利用者数は緊急事態宣言発令の度に減少していく
  • コンビニ、スーパーでの酒類の購入者数が右肩上がりで上昇

社会情勢だけを切り取ると、飲食店、それに関わる酒類メーカーは厳しい状況に直面しています。しかし、その一方で消費者のアルコールニーズに変化はないというデータもあるため、人々の新しい生活様式に合わせた新しい提供の仕方次第では、景気の回復が見込めるのではないでしょうか。

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